ロシアピアニズムって何?(4)~深い音のメカニズム~
ロシアピアニズムとは(3)~深い音~で、深い音を発音する為に大事なことは、5つあると申し上げました。
1 打鍵の入口と出口
2 しっかりとした指
2 柔軟な手首
3 柔軟な肘
5 意識(耳の使い方)
です。
では、早速詳しい打鍵の方法を写真を使いながら解説していきたいと思います。
まず、「1 打鍵の入口と出口」 を意識することは、その間の打鍵を意識しないことでもあります。
音は打鍵の瞬間ではなく、どう入ってどう抜けるかによって決まります。
まず2のしっかりとした指を作るための基本の型を準備したら↓
打鍵の前に手の中に空気を含むようにして、4の柔軟な肘を使い腕全体を上に上げます↓
そして滑らかに腕を鍵盤にゆっくりと下に向かって下ろし、手首のスナップを使い、手は振りかぶるように上にしならせます。
これは打鍵の準備状態です。(ちょうど歌手が息を吸い込み、眉をすこし上に上げたような状態のような)↓
そして腕全体を鍵盤に向かってゆっくりとおろし、
指先が鍵盤の表面につく頃には、腕と手首の上昇と手の下にむかうスナップのような動きが始まります↓
腕の下降と同じ速さの、
ゆっくりとした手首のスナップを使い、指先が底に着きます。
このときも腕や手首は一切とまらないように、すべての動きが滑らかに行われます。これはすこし難しいです↓
そうしたら、上に向かう腕全体の動きを利用し、手首から順番に指先まで、上へと抜けていきます。
ちょうど打鍵の後はこのような手の状態となります。↓
このような打鍵により、鍵盤の底には腕の重みの乗った柔らかな指先の肉のみが着地します。
決して鍵盤の底を突くようなことにはなりません。
和音やオクターブのポジションなどの時も、指先を意識する事はありませんので、打鍵する指を固めるために、いつも虫様筋の収縮を意識していましょう。
最後に意識についてです。
これはロシアンメソッド(4)~手の中の意識~でもお話したことと共通していますが、もう一度お話させていただくと、
意識には姿勢も影響しますので、
始めのうちは、背中を執拗に丸めたり、頭が鍵盤を見つめるように下を向きすぎたりせず、
耳をなるべく正面に向かって開いているようなイメージをしましょう。
音は鍵盤から発されるイメージではなく、遠くから飛んでくるようなイメージが良いでしょう。
また、打鍵の瞬間に鍵盤を意識しないことで、その瞬間に音を対するイメージするための脳みその空き容量を確保しましょう。
どんな奏法、タッチであれ、
「鍵盤を弾く」という意識が捨てられるようになると、演奏の自由度はどんどんと広がっていきます。
是非、試してみてください。
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ロシアンメソッド、アウェアネスメソッド
松岡音楽教室
松岡優明
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