音楽とピアニズム(3)~ヨーロッパでの生活のなかで~

フライブルク音楽大学で様々な国籍の学生や教授ら、文化や個性、そして音楽と触れ合いながら、

「ピアニズムとは何か」ということについて、ますます深く考えさせられるようになりました。

ヨーロッパでの生活の中で、

ソコロフやプレトニョフ、キーシン、ババヤン、ゲルギエフ、といった演奏家達の演奏を生で聴いたり、

ゴットリープ、ピアセツキー、ギリロフ、ゼリクマンら各氏のレッスンを受講できたことで、

彼らの「語法」に感動を持って立ち会うことが出来たこと、

また、そうして朧気ながらもそこに共通するピアニズムの輪郭を見いだせたことは私にとって非常な幸運でした。

それと同時に、フライブルク音楽大学で供に学んだ友人の一人に、独自のピアニズムの研究に明け暮れていた者がありましたが、

彼のその独自の研究こそは「ロシアンメソッド」に源流を求めるピアニズムでありました。

その研究や実験の過程を垣間見ることで、ロシアピアニズムの持つ

温かな音、大きな音楽、

のメカニズムがより詳らかになって行きました。

そのテクニックの合理性や法則、

それが生み出す芸術性を目の当たりにしたことで、

あらゆるピアニズムの仕組みや謎が詳細に解き明かされていく感覚に感銘を覚えました。

ドイツで出会った様々なピアニズムは、どれも今まで自分が携えてきた演奏における常識を覆すもので、目の覚めるような体験の連続でした。

こうした全く新たなアプローチ方法を知り、学ぶことが出来たことで、これまでに受けてきたレッスンや聴いてきた音楽が、自分の中でより確実に咀嚼されていくのを感じました。

ピアニストとして在る限り、

求める音や表現と供に選択されていく「ピアニズム」こそが、

今の「自分自身」に他ならないのだ、

と感じるようになりました。

音楽とピアニズム(4)~鍵盤に張り付かないことの合理性~

に続きます

松岡音楽教室

松岡優明

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