基本のタッチと体の重心
ロシアンメソッドって何?(3)、および(4)で主に詳しくご紹介した「基本のタッチ」では、
虫様筋を使うことで、
指に適度な硬直を持たせ、尚且つ腕や肘を柔らかく使いながら、
理想的な打鍵を効率的に目指していくというお話をしました。
そのときにもう一つ重要なことは、
足のどこに重心をおくかということです。
かかとに重心をとりながら、腕をピアノの上にかざすと、
体はバランスを取るために肩や腰が前に戻るように緊張してきます。
肩には負荷がかかり、連動するように肘が固まってきます。
一方で、重心をつま先に置いていると、上体は前方に傾きます。
上体が少し前向きに固まる、あるいは背中が多少の丸みを帯びている状態は、体の構造上自然なことです。
これは腕の重みを効率的に使っていくことのできる状態です。
体の然るべきところが脱力され自然な状態にあることは、
音色の向上のみならず、
無理な演奏方法による腱鞘炎や肩こり、麻痺、腰痛といったトラブルの解消にも繋がります。
普段無意識のうちに癖付いている体の使い方や意識には、思わぬヒントが隠されているかもしれません。
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松岡優明