頭の位置と体の関係性

こんにちは。

松岡音楽教室講師の松岡優明です。

以前に「視線と意識」についてお話をしました。(ピアノを弾くときにどこを見る?

今回は、「視線」とは切っても切れない関係のある「頭の向き」、そして頭の向きや動きが「音」に及ぼす影響について考えていきたいと思います。

私たちの体や感覚と意識は密接に関わり合っています。

頭の位置や向き、視線や表情の一つ一つが打鍵そのものに影響してきます。

まず、みなさんはピアノを演奏するとき、頭の向きや位置、あるいは動きについて考えたことはありますか?

頭をこう動かすとうまくいく、

ここを弾いている時は無意識に天を見上げている、とか

ここは鍵盤をしっかりみて、

とか練習過程で意識的あるいは無意識的にこういった事について考えていると思います。

頭の向きや位置は音質に直接関わります。

そのためにまず大事なことは、頭蓋骨が安定した位置にあることです。

頭が下に落ちるようになったり、上を見上げすぎることで、肩あるいは腰に頭を支える力を持ってしまうのは好ましくありません。

どこを向いていたとしても、腰骨そして背骨の延長線上に頭蓋骨が置かれているようなイメージを持ってみてください。

次に考えて行きたいのは、頭の動きについてです。

よく、決め所の和音や、強い音を弾くときに頭を振ったり、動かしたりしてしまうことがあると思います。

頭を打鍵と同時に下へ降ると、

腕には、頭が振れるのと同時に鍵盤から逃げるような力が働きます。

頭を打鍵と同時に上に解放したり、下へ落としたりすると、基本的には打鍵が深くなり、必要以上に鍵盤に入りすぎてしまいます。

浅すぎたり深すぎたりする打鍵は、鍵盤の音の鳴るポイントからズレてしまうために、音が割れてしまったり、音がよく響かなくなってしまう原因になります。

良く音を聴きながら、こうした動きを意識的にしているのであればともかく、

無意識的に無駄な動きを癖づけてしまうことは、あまり好ましくありません。

そして、基本的にはこうした動きは耳の感度を一時的にブレさせてしまいます。

どうしても今まで頭を動かしながら弾いていてしまった箇所の音、あるいは和音を

頭を安定した位置に置いてから、

頭を決して動かさずに、骨の上に据えて、手首を使ってゆっくりと手を鍵盤に置いてみてください。

きっととても冷静に音が聞けていることに気がつくと思います。

腕の動きもスムーズになっているはずです。

初めは多少の恐怖感があるかもしれませんが、これは違う音を弾いてしまう、とか和音が揃わなくなる、とかこういった事に対する恐怖心だと思います。

これは音楽とは全く関係のないものなので、早く捨ててしまいましょう。

その瞬間から、

耳は目の前に広がる空間へと向けて広がり、脳は音のイメージを広げるための容量を確保してくれるでしょう。

しっかりとした音の聞き方や、体の使い方を心得るまでは、無意識的に為される無駄な動作を極力しないことは、上達への近道かもしれません。

松岡音楽教室

松岡優明

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