ピアニズム研究~ショパンエチュード~
ショパンエチュード
それはピアノを専門的に学ぶ上で、
決して避けて通ることはできない作品です。
高度に要求される技巧、そしてその音の純粋な美しさは人々を惹きつけて止みません。
楽譜を見ただけでも目が回りそうなこの練習曲ですが、一度でも演奏を試みたことのある方ならばきっと、
この練習曲の本当の難しさは、楽譜の難しさを遥かに凌駕していることをご存知だと思います。
作品10、25、遺作と合わせると全部で27曲、演奏時間にして1時間を裕に超えるような膨大な作品です。
「果たしてショパンはこの27のエチュードを、どのような訓練が為される事を目的に作曲したのだろうか」
という議論は、
多くの有識者たちの間で長きに渡り繰り広げられて来ました。
そして今日においても、未だその議論は決して尽きることを知りません。
私も、何を隠そうこのエチュードを愛好する純粋なファンの一人で、
殊に作品10に関しては、節目節目で取り上げてきた個人的にも重要な作品の一つです。
ただ純粋にこの作品を弾きたいという気持ちに加えて、
今の自分を試し、省みる、なにか儀式的な物のようにも感じています。
初めに全曲を勉強したのは18才東京音大学部一年生の頃、そしてその次にドイツの大学院の卒業試験で再び全曲を取り上げました。
そして今また再びこの作品を再度勉強し直そう、という次第です。
このエチュードに関する主な議論は
大凡「テクニック」に関してであると思います。
勿論、それもこの作品が練習曲
と名付けられたための宿命です。
私も僭越ながら、このブログを通し、
ひとまず作品10に含まれる12曲の練習曲について、自分なりの解釈、演奏のヒント、その訓練の目的についてのお話していきたいと思います。
次回記事を第一回とし、ショパンがどのようなテクニックでこの練習曲が演奏されることを期待していたのか、という事の関する私なりの見解と併せて、
第5番「黒鍵」
を取り上げたいと思います。
では、第一回は近日中にUP予定です、今しばらくお待ち下さい。お楽しみに、、!
松岡音楽教室
松岡優明