ピアノの打楽器的性格(2)~下部雑音~

このピアノにおける下部雑音は、

純粋な弦の固有振動(音程)とその倍音としての固有振動を持つ弦の振動による、極めて純粋な響きを妨げる要因なのです。

ピアノの打楽器的性格(1)でご紹介した

「下部雑音」を聞き取るための実験では、

この下部雑音により、あらゆる弦が共鳴していました。

これが弦の固有振動による純粋な響きに混ざり合ってくることになるのです。

音の振動は、倍音のように親しい波長を持つもの同士のように互いの振動を増幅するように豊かに響き合うものもあれば、

反対に相殺し合う振動もあるため、

ある音に対して、その響きを妨げるような振動である「雑音」は、

極力排除されていることが、豊かな音色を獲得するための近道であるといえるでしょう。

ロシアンメソッドって何?(4)で詳しく紹介している基本のタッチには、

「下部雑音」を排除するためのあらゆる要素が入っています。

また、どんなに大きな音を出す時でも、

鍵盤の底に着地するのは、「骨」ではなく柔らかな指の腹の「皮膚」を着地させる感覚を持ってみると良いでしょう。

また体を脱力する時に、肩や肘ではなく、体中の「皮膚」の力を抜くイメージをしてみると、

姿勢や体の状態は自然とリラックスできると思います。

手のポジションについて(1)(2)(3)の中でもでもお話した肘の脱力方法など、

体の状態を極力自然な状態に整えることは、一人一人にあった「良い打鍵」を見つけていく大きなヒントなのです。

さて、もう一つ忘れてはならない打楽器的性質の一つとして

「音の減衰」を上げました。

下部雑音は確実に軽減させることが出来るのに対して、

「音の減衰」は、どうしても避けることは出来ません。

旋律を弾くときに、

次の音に向かってディミヌエンドをする事はできますが、クレッシェンドは出来ないのです。

肩をすぼめても、顔をくしゃくしゃにしても、体を開いても、手を高く上に上げても、

ピアノの音は無情にも「減衰」の一途を辿るのです。

この「音の減衰」を仕方の無いものとして、感情や錯覚、勢いでなんとなく埋めてしまおうと無碍にせず、

避けられないものという大前提の下で立ち向かいましょう。

ピアノの音で見事に「歌」を聴かせるためにはどうしたら良いのでしょう?

ピアノの打楽器的性質(3)~音の減衰に立ち向かう~に続きます。

松岡音楽教室

松岡優明

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